未利用の位置情報付きデータを利活用する世界メッシュ統計基盤を構築

横浜市立大学大学院データサイエンス研究科の研究グループは、メッシュ統計*の利活用を可能とする技術的要素を開発し、論文誌「応用統計学会誌」に掲載すると発表しました。 本研究はメッシュ統計基盤上で株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供するモバイル空間統計処理することで、東京オリンピック競技大会期間中のリアルタイムの活動状況観測の実証を行いました。現在は未利用になっている大量の位置情報関連データの社会的利活用の大幅な推進に結び付くと期待されます。

*メッシュ統計:メッシュと呼ばれる緯度と経度とで囲まれる矩形区画(日本国内では矩形区画は日本産業規格JIS X0410地域メッシュコードとして定義されている)を、データの持つ位置情報をもとにして集計することで作成した極めて細かい区画に対する統計。匿名性、再集計性や選択性、計算可能性など、メッシュ統計データの高い連結結合性を有する。

Edge POINT

  • メッシュ統計は日本固有の技術が複数ありながら利用が進んでいなかった
  • 研究により、統計基盤に必要とされる機能、構造、技術、利用者の役割に関する要件とモデルを提示
  • 今後は大量データを用いたアプリケーションなどへの応用が期待される

メッシュ統計基盤の有用な活用方法が複数存在

メッシュ統計は日本固有の技術が複数ありながら、対象とするデータの量が非常に多く、また種類や形式などの多様性が極めて高いことから、求められる計算量の大きさがネックとなり、利用が進んできませんでした。横浜市立大学、株式会社丹青社、株式会社リクルート、統計数理研究所、独立行政法人統計センターから成る研究グループでは、メッシュ統計の普及と未利用データの活用を目指して、分野を超えた産官学連携での研究開発を行っています。その中で世界メッシュ統計基盤の自律分散的なアーキテクチャ設計とその実証に必要となるデータ品質、計算機システム構造、人間的組織構造、データフロー間の関係性、並びに経済社会的に持続可能性を有するエコシステムなどに関して研究開発を進めてきました。

この研究成果により、自律分散的世界メッシュ統計基盤のアーキテクチャに必要とされる機能、構造、技術、利用者の役割に関する要件とそのモデルを提示することができました。自律分散的世界メッシュ統計基盤のあるべき姿と求められる機能要求が判明し、有用なメッシュ統計基盤上に構築可能なアプリケーションとその有用な利用方法についてのシナリオ事例が複数存在していることも判明しました。

今後、各種要求に基づくアーキテクチャの開発とその実証を行うことにより、メッシュ統計データの流通とユースケースに基づく利活用の促進、メッシュ統計データの価値尺度の自動判別などが期待されます。さらに、自律分散的世界メッシュ統計基盤の技術が普及することにより、大量データを用いたSDGsの各種指標の算出、算出した指標を時間的・空間的に意思決定者が利用できる形で個別に提供するアプリケーションなどへの応用も期待されるということです。

 リリース:https://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2022-06.html

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