導入事例

NeuralMD × H200 GPUクラウドで検証する
分子動力学シミュレーションの可能性

アドバンスソフト株式会社

東京都に本社を置くアドバンスソフト株式会社は、計算科学技術に関する研究・コンサルティング、および解析用ソフトウェアの開発・販売ならびに受託解析サービスを行う専門企業です。

CAEのリーディングカンパニーを目指し、流体・構造・音響解析、ナノ・半導体・原子力安全分野のシミュレーション、さらにAIの適用による計算科学技術の高度化など、マクロからミクロまで多様なスケールと分野を横断的にカバーし、製造業・研究機関・社会インフラ分野の幅広いニーズに応えています。

今回は、同社で第一原理計算および分子動力学計算に基づく解析ソフトウェアの開発に携わる研究員の中山和貴氏に、GPUSOROBANを利用した背景や検証内容について伺いました。

事例のポイント
・画像解析の時間と計算リソースの課題を解決
・薬効薬理研究でJOIRのAIモデルやAlphaFold2を導入
・クラウドインフラに知見がなくても簡単に導入が可能

中山様

アドバンスソフト株式会社 第6事業部 技術第8部
主事研究員 中山和貴氏

H200×GPUクラウドで、分子動力学計算をスピーディーに

今回の検証を始めた背景について教えてください。
今回の検証では、分子動力学計算の性能検証のためNVIDIA H200の環境でベンチマークを実施しました。得られた結果を解析ソフトウェアとあわせて提示することで、お客様が用途や要件に応じて最適なGPU構成を検討する際の参考データとして活用できるようにすることを目的としています。

分子動力学計算では、GPUの種類や構成が計算速度やスケーラビリティに大きく影響します。特にGPUメモリ容量やマルチGPU構成は、扱える原子数や計算精度を左右する重要な要素です。新世代のGPUであるH200を用い、分子動力学計算における計算速度の向上や、原子系解析のスケーラビリティを検証しました。

検証ではオンプレミス環境で高価なGPUを購入するよりも、必要なときに必要なリソースを柔軟に確保できるGPUクラウドを活用する方が効率的ですので、GPUSOROBANのクラウド環境を利用しました。

H200×8GPUで、9万8000原子の大規模解析を実現

具体的な検証内容についてお聞かせください。
今回の検証では、ニューラルネットワークを用いた分子動力学計算の性能評価を目的に、自社開発の解析ソフトウェア「Advance/NeuralMD」と、オープンソースのグラフニューラルネットワーク力場を用いたベンチマークを実施しました。検証環境にはH200 × 8枚構成のGPUインスタンスを使用しています。

対象とした材料は、全固体電池などの固体電解質の構成材料となるリチウムイオン伝導体であるLGPS(Li₁₀GeP₂S₁₂)です。リチウム(Li)、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、硫黄(S)を含む多元系物質をモデル化し、最大9万8,000原子までの大規模シミュレーションモデルを構築しました。ニューラルネットワーク力場には、多元素系に対応可能なポテンシャルモデルを採用しています。

検証では、計算性能および並列性能を評価するとともに、グラフニューラルネットワークにおける原子数制限とスケーリング特性を検証しました。従来は単一GPU環境でのみ実行可能だった計算を、新世代GPUによるマルチGPU構成で実行することで、性能向上と計算可能規模を評価しました。

H200はA100比で最大2.2倍の高速化、計算規模も約1.8倍に

H200とA100の比較結果について詳しく教えてください。

続きは資料ダウンロード後にご覧いただけます。

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NeuralMD×H200GPUクラウドで検証する
分⼦動⼒学シミュレーションの可能性

第一原理計算および分子動力学計算に基づく解析ソフトウェアの開発に携わるアドバンスソフト株式会社の中山氏に、GPUSOROBANを利用した背景や検証内容について伺いました。


本事例のポイント

  • H200で分子動力学計算をよりスピーディーに

  • 9万8000原子の大規模解析を実現

  • H200はA100比で最大2.2倍の高速化、計算規模も約1.8倍に

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