
GPUクラウドおすすめ7選比較一覧!オンプレ・レンタルとの比較・事例を紹介
AI開発やデータ分析の現場では、高速な演算処理を実現するGPUクラウドサービスの導入が進んでいます。
しかし、クラウドGPUを提供する企業は国内外に多数存在し、料金体系やスペックも様々です。
この記事では、オンプレミス環境や従来のサーバーレンタルと比較したメリット・デメリットを整理したうえで、自社の用途に合致する最適なシステムを選定する際のポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.GPUクラウドサービスとは
- 1.1.GPUクラウドの価格・料金相場
- 2.GPUクラウドの用途・事例
- 3.GPUクラウドのメリット(オンプレミスとの比較)
- 3.1.コストを最小限に抑えられる
- 3.2.タスクに応じてGPUを変更できる
- 3.3.需要に応じてサーバーを増減できる
- 3.4.簡単に環境構築できる
- 3.5.高電力・熱対策
- 3.6.GPU陳腐化の対策
- 4.GPUクラウドのメリット(GPUレンタルとの比較)
- 4.1.即日利用できる
- 4.2.手間がかからない
- 4.3.時間課金でコスト最小化
- 5.GPUクラウドの選定ポイント
- 5.1.用途・目的別に選ぶ
- 5.2.セキュリティリスクを考慮する
- 5.3.性能とスペックは重要視する
- 6.GPUクラウドサービスの比較(AWS・Azure・GCP・GPUSOROBAN)
- 6.1.GPUSOROBAN
- 6.2.AWS
- 6.3.Azure
- 6.4.GCP
- 6.5.GMO GPUクラウド
- 6.6.さくらのクラウド
- 6.7.Lambda Labs
- 7.まとめ
GPUクラウドサービスとは
GPUクラウドサービスは、GPUを搭載したサーバーをインターネット経由で使えるサービスです。ローカルPCからクラウド上のGPUサーバーに接続し、リモート操作します。
クラウド上のGPUサーバーで大量のデータ計算を行うため、ローカルPCのスペックが低くても問題ありません。そのため、手元の端末は作業画面の表示や操作ができればよく、高価なGPU搭載PCを用意しなくても、AI開発や3DCG制作、シミュレーションといった高負荷な処理に取り組めます。

また、GPUクラウドサービスは必要なときに必要な分だけ使える点も特徴です。物理サーバーを自社で購入・設置する場合と比べて、初期費用を抑えやすく、利用規模に応じて柔軟にリソースを増減できます。検証段階では小さく始め、本番運用ではより高性能なGPU構成へ切り替えるといった使い方もしやすいでしょう。
GPUクラウドの価格・料金相場
1時間あたりの従量課金制を採用しているケースが多く、安価なモデルであれば数十円から利用可能です。
しかし、NVIDIA B200やH200といった最新のハイエンドモデルを利用する場合は、1時間あたり数百円から数千円に設定されています。
海外事業者には破格の安さを誇るサービスがある一方、国内事業者はデータ転送料が無料であったり、日本語での手厚いサポートが付属したりします。
個人がノートパソコンに外付けするeGPUとは異なり、エンタープライズ規模の膨大な処理を支えるため、利用するスペックや台数によって月額の総コストは大きく変動する点に注意が必要です。
こちらの記事では、GPUを選ぶ際に必要となる価格相場の情報を解説しています。
GPUクラウドの用途・事例
GPUクラウドサービスの主な用途は、計算処理とグラフィック処理になります。
計算処理では、画像生成・言語生成LLMなどの機械学習のほか、流体解析・分子動力学などのシミュレーションに使われます。
低スペックなPCでは、これらの計算処理に数日かかってしまうこともあるため、GPUを使って計算時間を大幅に短縮をしています。
グラフィック処理では、CAD・BIM・3DCGのような重たいグラフィック制作に使用されます。
低スペックなPCでは、重たい3Dグラフィックが固まってしまい作業ができません。
GPUを使って重たいグラフィック作業をサクサク動かすことができます。
GPUクラウドのメリット(オンプレミスとの比較)
オンプレミスGPUと比較しながらGPUクラウドのメリットを解説していきます。
コストを最小限に抑えられる
GPUサーバーの課題の一つに、高額なコストがあります。本格的なオンプレミスのGPUサーバーは、数百万円~数千万円のイニシャルコストがかかり、自動車やマンションが買えるぐらい高額です。
GPUクラウドは、基本的にイニシャルコストがかからず、使った時間に応じて課金をする従量課金を採用しています。使っていない時間は課金されないため、純粋に使った分だけの課金がされてコストを最小限に抑えることができます。
GPUは特に高額なコストになるため、使っていない時間のコスト削減のインパクトが大きくなります。

タスクに応じてGPUを変更できる
オンプレミスのGPUサーバーは、一度購入するとGPUの変更が容易ではありません。GPUを差し替えれば良いと思うかもしれませんが、GPU自体が高額なうえ、新しいGPUが古いマザーボードに合わないことがあります。
GPUクラウドは、インスタンスの変更ができるため、タスクに応じてGPUを変更することができます。インスタンスとはクラウドで使える仮想サーバーのことで、PCと同じようにCPU・メモリ・GPU・ストレージからOS・ソフトウェアを搭載しています。
特に機械学習の領域においては、生成AIのように新しいトレンドが次々に生み出されるため、GPUを柔軟に変更できるほうが得策です。

需要に応じてサーバーを増減できる
オンプレミスのGPUサーバーを使用していると、繁忙期に社内で取り合いになり、使いたくても使えないことがよくあります。
最悪の場合、GPUリソースが足りないために案件を逃すなどの機会損失に繋がってしまいます。逆に余分にGPUサーバーを購入してしまうと、閑散期に遊休資産になるリスクもあります。
GPUクラウドでは、簡単にインスタンスを作成できるため、繁忙期にはインスタンスを増やすことができます。閑散期にはインスタンスを削除するような運用が可能です。必要なときに必要な分だけ使えるため、機会損失や遊休資産のリスクを回避できます。

簡単に環境構築できる
オンプレミスのGPUサーバーでは、環境構築は自力で行う必要があります。GPUが関連する環境構築では、ソフトウェアのバージョン不一致によるエラーがよく発生します。
例えば機械学習の環境構築をする場合、PyTorch、CUDA、cuDNN、Python、NVIDIAドライバ、OS、カーネルなどのバージョンの相性を考慮する必要があります。かなり複雑なため、環境構築で詰まって大幅な時間をロスしてしまうことがあります。
GPUクラウドでは、ソフトウェアのプリインストールしていたり、イメージ(テンプレートのようなもの)を配布していることがあります。これらは動作検証済みのソフトウェアであるため、バージョン不一致のエラーを回避し、すぐに本業の開発にとりかかることができます。

高電力・熱対策
大規模言語モデル(LLM)で使われるGPUサーバーの消費電力は1台で11kWもあり、電子レンジでいうと約22台分ぐらいの異常な量の電力を消費します。消費電力に加えてサーバーの廃熱も膨大であるため、一般的なオフィスはおろか汎用データセンターでも取り扱えないことがあります。
GPUクラウドであれば、専用のデータセンターでGPUサーバーを管理しているため、電力および熱の問題を丸投げして利用できます。もしトラブルが発生した場合でも、クラウドであれば新しいインスタンスに乗り換えてりようできるため、修理や交換をする必要がありません。
GPU陳腐化の対策
GPUは新しいモデルが毎年発表されています。特にGPUのアーキテクチャの変更により、GPUのパフォーマンスが大幅に向上します。これまでNVIDIAは2年に一度アーキテクチャの変更をしたGPUをリリースしてきましたが、今後は1年おきへと加速すると言われています。
新しいGPUが登場すると古いGPUは陳腐化してしまうため、オンプレミスのGPUサーバーを購入する場合は、大きなリスクになります。IT機器は5年償却で資産管理されることが一般的ですが、GPUは進歩が速すぎるため、古いGPUの価値が急速に落ちていくことも考慮が必要です。
クラウドではGPUを所有しないため、新しいGPUに乗り換えて運用することが容易で、GPU陳腐化の対策になります。
GPUクラウドのメリット(GPUレンタルとの比較)

GPUレンタルと比較しながらGPUクラウドのメリットを解説します。
ここで比較するGPUレンタルとは、物理的なGPUを借りることができるサービスを指します。
即日利用できる
GPUレンタルでは、見積→注文→発送→組み立て→環境構築の手順を踏むため、すぐに利用することができません。GPUクラウドの場合、会員登録からインスタンス利用まで即日で対応できます。
手間がかからない
レンタルしたGPUの検証がうまく行かなかった場合、新しくGPUを借りる必要があり、発送から組み立て、環境構築をやり直す必要があります。
GPUクラウドの場合、インスタンスの作成が簡単で、動作検証済みのプリインストール・ソフトウェアを利用すれば環境構築の時間もかかりません。
時間課金でコスト最小化
GPUレンタルは最低1ヶ月単位からの貸し出し対応になるため、利用していない時間もコストが課題です。
オンプレミス購入と比べて、レンタルのコストはどうしても割高になるため、時間課金に対応できないことがネックになります。
クラウドでは利用した時間のみ課金されるため、コストを最小限に抑えられます。
GPUクラウドの選定ポイント

数あるサービスの中から自社に最適なプロバイダーを見つけるためには、事前の要件定義が欠かせません。
単なる価格の安さだけでなく、用途との相性やセキュリティ要件など、多角的な視点で比較検討を行ってください。
用途・目的別に選ぶ
GPUクラウドは、AI開発・生成AI・3Dレンダリング・データ分析など、利用目的によって最適な構成が大きく変わります。
そのため、まずは「何のためにGPUを使うのか」を明確にし、それに適したサービスを選ぶことが重要です。
AI開発の学習用途であれば複数台を接続した広帯域なクラスタ環境が必須となりますが、推論やWebAPIとしての提供であれば、安価なシングル構成で十分な場合もあります。
また、社内向けのVDIとしてCADを動かすのであれば、グラフィック処理に特化した仮想マシンの提供があるかどうかが重要です。
セキュリティリスクを考慮する
GPUクラウドを選ぶ際は、セキュリティが強いGPUクラウドを選定するのも重要です。総務省が公表した「サイバーセキュリティの現状」によると、年々サイバー攻撃関連の通信数は上昇傾向にあります。
つまり、企業がGPUクラウドを活用する場面でも、外部からの不正アクセスや情報漏えい、アカウントの乗っ取りといったリスクを前提に考える必要があります。

(出典)国立研究開発法人情報通信研究機構「NICTER観測レポート2024」を基に作成
機密性の高い顧客データや未公開の開発ソースコードを扱う場合、サーバーの物理的な設置場所や通信経路の安全性が問われます。
海外事業者のサービスは安価ですが、データが国境を越えることでコンプライアンス上の懸念が生じる場合があります。
総務省のサイバーセキュリティの動向の記事では、以下のような脅威が報告されています。
インターネット上のサイバー攻撃トラフィックは、過去10年で約10倍以上に増加しており、全天候型で継続的に発生している。
IoT機器およびWebサービス(HTTP/HTTPS)が特に攻撃の標的になっており、これらへのセキュリティ強化が重要とされている。
法的観点でも、不正アクセス行為の検挙件数が増加しており、サイバーセキュリティの脅威が「量」「質」の両面で高まっていると総括されています。
これらの内容は、国内法に準拠し、データセンターが日本国内に存在しているサービスを選ぶことで、情報漏えいリスクを低減できます。
さらに、ファイアウォールやアクセス制御などのセキュリティ機能が充実しているかも確認するポイントです。
性能とスペックは重要視する
求める計算能力に対してスペックが不足していると、処理に膨大な時間がかかり、結果的に稼働時間が延びてコストが膨らむ事態に陥ります。
搭載されているGPUの種類(A100、H100、L4など)はもちろん、搭載メモリ容量やCPUコア数、そしてストレージの読み書き速度もパフォーマンスに直結します。
特に大規模なモデルを扱う際は、GPU同士を繋ぐネットワーク帯域(NVLinkやInfiniBand)の有無が処理スピードを大きく左右するため、カタログスペックを細かくチェックしてください。
こちらの記事では、GPUの選び方とおすすめモデルを解説しています。
GPUクラウドサービスの比較(AWS・Azure・GCP・GPUSOROBAN)

GPUクラウドサービスでは、以下のようなサービスが提供されています。
- GPUSOROBAN
- Amazon Web Service(AWS)
- Microsoft Azure(Azure)
- Google Cloud Platform(GCP)
- GMO GPUクラウド
- さくらのクラウド
- Lambda Labs
GPUSOROBAN

GPUSOROBANは、1時間50円から使える業界最安級のGPUクラウドサービスです。
AWSやGCP、AzureのGPUクラウドと比較して50%~70%安い料金で、ハイスペックなNVIDIA GPUが使えます。
GPUに特化したシンプルなサービスで、インスタンスの設定は3分程度で完了します。
データ転送料やストレージコストもインスタンス利用料に含まれており、追加料金がかかりません。
国内最上位のNVIDIAエリートパートナーに認定され、日本人による技術サポートも受けられます。
詳細の資料は以下のページからダウンロードできます。
AWS

出典:AWS
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。
サーバー、ストレージ、データベース、AIなど幅広い機能をインターネット経由で利用できます。
企業は自社で機器を用意せずに、必要な分だけ柔軟にITインフラを構築・運用できます。
Azure

出典:Azure
Azure(Microsoft Azure)は、Microsoftが提供するクラウドコンピューティングサービスです。
仮想マシン、ストレージ、データベース、AIサービスなどをインターネット経由で利用できます。 企業はシステム開発や運用を効率化しながら、必要に応じて柔軟にITリソースを拡張できます。
Azureの強みは、Windows・OfficeなどのMicrosoftサービスと親和性が高く、システム連携や移行が容易なところです。
GCP

出典:Google Cloud
GCP(Google Cloud Platform)は、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスです。
仮想マシン、データ分析、ストレージ、AI・機械学習などの機能をインターネット経由で利用できます。 Googleの高性能なインフラを活用しながら、柔軟で拡張性の高いシステムを構築できるのが特長です。
GCPの強みは、Google Workspaceと連携がしやすい点や、BigQureyなどのデータ分析基盤が整っている点です。
GMO GPUクラウド

出典:GMO
GMO GPUクラウドは、GMOインターネットグループが提供する高性能GPUに特化したクラウドサービスです。
主な用途として、AI開発やディープラーニング、生成AIの学習・推論といった、膨大な計算処理が求められる分野に最適化されています。
NVIDIA社の高性能GPUを時間単位または月額固定で利用でき、開発のフェーズに合わせて柔軟に環境を構築できるのが大きな利点です。
これにより、研究開発から商用サービスまで、幅広いシーンでAI開発の効率とスピードを大幅に向上させることが可能です。
さくらのクラウド

出典:さくらのクラウド
さくらのクラウドは、さくらインターネットが提供する国産のクラウドサービスです。
サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークといったITインフラの基本機能を、インターネット経由で必要な分だけ柔軟に利用することができます。
大きな特長は、国内のデータセンターでサービスが提供されていることによる安心感と、シンプルで分かりやすい料金体系、そして直感的に操作できるコントロールパネルにあります。
専門的な知識がなくてもサーバーの構築や管理がしやすく、Webサイトのホスティングから業務システムの基盤、開発環境まで幅広い用途に対応します。
Lambda Labs

出典:Lambda Labs
Lambda Labsは、AI開発やディープラーニングに特化した米国の企業で、高性能なGPUクラウドサービスと専用ハードウェアの提供を主力事業としています。
同社のGPUクラウドは、NVIDIA社の最新・高性能なGPUをオンデマンド形式で、比較的低コストで利用できることから世界中のAI研究者や開発者に人気があります。
主要なディープラーニングフレームワークがプリインストールされており、ユーザーは複雑な環境構築の手間なく、すぐにモデルの学習や研究開発に集中できます。
まとめ
この記事では、GPUクラウドサービスについて、各種比較を行いながら解説しました。
GPUサーバーはコストが高額であるため、オンプレミスとクラウドのハイブリッドや、マルチクラウドなどの使い方の検討がされています。
クラウドは初期費用がかからず、コストを必要最小限に抑えることができるため、スモールスタートでお試ししてみてはいかがでしょうか。



