【GPUクラウド比較】おすすめ4選、オンプレ・レンタルとの比較、事例を紹介
この記事では、GPUクラウドサービスに関する各種比較を解説しています。
目次[非表示]
- 1.GPUクラウドサービスとは
- 2.GPUクラウドの用途・事例
- 3.GPUクラウドのメリット(オンプレミスとの比較)
- 3.1.コストを最小限に抑えられる
- 3.2.タスクに応じてGPUを変更できる
- 3.3.需要に応じてサーバーを増減できる
- 3.4.簡単に環境構築できる
- 3.5.高電力・熱対策
- 3.6.GPU陳腐化の対策
- 4.GPUクラウドのメリット(GPUレンタルとの比較)
- 4.1.即日利用できる
- 4.2.手間がかからない
- 4.3.時間課金でコスト最小化
- 5.GPUクラウドサービスの比較(AWS・Azure・GCP・GPUSOROBAN)
- 5.1.AWS
- 5.2.Azure
- 5.3.GCP
- 5.4.GPUSOROBAN
- 6.まとめ
GPUクラウドサービスとは
GPUクラウドサービスは、GPUを搭載したサーバーをインターネット経由で使えるサービスです。
ローカルPCからクラウド上のGPUサーバーに接続し、リモート操作します。
クラウド上のGPUサーバーで大量のデータ計算を行うため、ローカルPCのスペックが低くても問題ありません。
GPUクラウドの用途・事例
GPUクラウドサービスの主な用途は、計算処理とグラフィック処理になります。
計算処理では、画像生成・言語生成LLMなどの機械学習のほか、流体解析・分子動力学などのシミュレーションに使われます。
低スペックなPCでは、これらの計算処理に数日かかってしまうこともあるため、GPUを使って計算時間を大幅に短縮をしています。
グラフィック処理では、CAD・BIM・3DCGのような重たいグラフィック制作に使用されます。
低スペックなPCでは、重たい3Dグラフィックが固まってしまい作業ができません。
GPUを使って重たいグラフィック作業をサクサク動かすことができます。
GPUクラウドのメリット(オンプレミスとの比較)
オンプレミスGPUと比較しながらGPUクラウドのメリットを解説します。
コストを最小限に抑えられる
GPUサーバーの課題の一つに、高額なコストがあります。本格的なオンプレミスのGPUサーバーは、数百万円~数千万円のイニシャルコストがかかり、自動車やマンションが買えるぐらい高額です。
GPUクラウドは、基本的にイニシャルコストがかからず、使った時間に応じて課金をする従量課金を採用しています。使っていない時間は課金されないため、純粋に使った分だけの課金がされてコストを最小限に抑えることができます。
GPUは特に高額なコストになるため、使っていない時間のコスト削減のインパクトが大きくなります。
タスクに応じてGPUを変更できる
オンプレミスのGPUサーバーは、一度購入するとGPUの変更が容易ではありません。GPUを差し替えれば良いと思うかもしれませんが、GPU自体が高額なうえ、新しいGPUが古いマザーボードに合わないことがあります。
GPUクラウドは、インスタンスの変更ができるため、タスクに応じてGPUを変更することができます。インスタンスとはクラウドで使える仮想サーバーのことで、PCと同じようにCPU・メモリ・GPU・ストレージからOS・ソフトウェアを搭載しています。
特に機械学習の領域においては、生成AIのように新しいトレンドが次々に生み出されるため、GPUを柔軟に変更できるほうが得策です。
需要に応じてサーバーを増減できる
オンプレミスのGPUサーバーを使用していると、繁忙期に社内で取り合いになり、使いたくても使えないことがよくあります。
最悪の場合、GPUリソースが足りないために案件を逃すなどの機会損失に繋がってしまいます。逆に余分にGPUサーバーを購入してしまうと、閑散期に遊休資産になるリスクもあります。
GPUクラウドでは、簡単にインスタンスを作成できるため、繁忙期にはインスタンスを増やすことができます。閑散期にはインスタンスを削除するような運用が可能です。必要なときに必要な分だけ使えるため、機会損失や遊休資産のリスクを回避できます。
簡単に環境構築できる
オンプレミスのGPUサーバーでは、環境構築は自力で行う必要があります。GPUが関連する環境構築では、ソフトウェアのバージョン不一致によるエラーがよく発生します。
例えば機械学習の環境構築をする場合、PyTorch、CUDA、cuDNN、Python、NVIDIAドライバ、OS、カーネルなどのバージョンの相性を考慮する必要があります。かなり複雑なため、環境構築で詰まって大幅な時間をロスしてしまうことがあります。
GPUクラウドでは、ソフトウェアのプリインストールしていたり、イメージ(テンプレートのようなもの)を配布していることがあります。これらは動作検証済みのソフトウェアであるため、バージョン不一致のエラーを回避し、すぐに本業の開発にとりかかることができます。
高電力・熱対策
大規模言語モデル(LLM)で使われるGPUサーバーの消費電力は1台で11kWもあり、電子レンジでいうと約22台分ぐらいの異常な量の電力を消費します。消費電力に加えてサーバーの廃熱も膨大であるため、一般的なオフィスはおろか汎用データセンターでも取り扱えないことがあります。
GPUクラウドであれば、専用のデータセンターでGPUサーバーを管理しているため、電力および熱の問題を丸投げして利用できます。もしトラブルが発生した場合でも、クラウドであれば新しいインスタンスに乗り換えてりようできるため、修理や交換をする必要がありません。
GPU陳腐化の対策
GPUは新しいモデルが毎年発表されています。特にGPUのアーキテクチャの変更により、GPUのパフォーマンスが大幅に向上します。これまでNVIDIAは2年に一度アーキテクチャの変更をしたGPUをリリースしてきましたが、今後は1年おきへと加速すると言われています。
新しいGPUが登場すると古いGPUは陳腐化してしまうため、オンプレミスのGPUサーバーを購入する場合は、大きなリスクになります。IT機器は5年償却で資産管理されることが一般的ですが、GPUは進歩が速すぎるため、古いGPUの価値が急速に落ちていくことも考慮が必要です。
クラウドではGPUを所有しないため、新しいGPUに乗り換えて運用することが容易で、GPU陳腐化の対策になります。
GPUクラウドのメリット(GPUレンタルとの比較)
GPUレンタルと比較しながらGPUクラウドのメリットを解説します。
ここで比較するGPUレンタルとは、物理的なGPUを借りることができるサービスを指します。
即日利用できる
GPUレンタルでは、見積→注文→発送→組み立て→環境構築の手順を踏むため、すぐに利用することができません。GPUクラウドの場合、会員登録からインスタンス利用まで即日で対応できます。
手間がかからない
レンタルしたGPUの検証がうまく行かなかった場合、新しくGPUを借りる必要があり、発送から組み立て、環境構築をやり直す必要があります。
GPUクラウドの場合、インスタンスの作成が簡単で、動作検証済みのプリインストール・ソフトウェアを利用すれば環境構築の時間もかかりません。
時間課金でコスト最小化
GPUレンタルは最低1ヶ月単位からの貸し出し対応になるため、利用していない時間もコストが課題です。
オンプレミス購入と比べて、レンタルのコストはどうしても割高になるため、時間課金に対応できないことがネックになります。
クラウドでは利用した時間のみ課金されるため、コストを最小限に抑えられます。
GPUクラウドサービスの比較(AWS・Azure・GCP・GPUSOROBAN)
GPUクラウドサービスでは、以下のようなサービスが提供されています。
- Amazon Web Service(AWS)
- Microsoft Azure(Azure)
- Google Cloud Platform(GCP)
- GPUSOROBAN
AWS
AWS(Amazon Web Services)は、アマゾンが提供するクラウドサービスで、世界シェアNo.1を誇ります。AWSはコンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワークなど200以上のサービスの豊富さと拡張性に優れています。AWSのEC2というサービスで、GPUを搭載したインスタンスを利用できます。
Azure
Microsoftが提供するクラウドサービスで、AWSに次ぐ世界シェアNo.2になります。Azureの強みは、Windows・OfficeなどのMicrosoftサービスと親和性が高く、システム連携や移行が容易なところです。Azure VMでは、GPUを搭載したインスタンスを利用することができます。
GCP
GCPは、Googleが提供するクラウドサービスで、Azureに次ぐ世界シェアNo.3になります。GCPの強みは、Google Workspaceと連携がしやすい点や、BigQureyなどのデータ分析基盤が整っている点です。GCPのCompute Engineというサービスで、GPUを搭載したインスタンスを利用できます。
GPUSOROBAN
GPUSOROBANは、1時間50円から使える業界最安級のGPUクラウドサービスです。
AWSやGCP、AzureのGPUクラウドと比較して50%~70%安い料金で、ハイスペックなNVIDIA GPUが使えます。
GPUに特化したシンプルなサービスで、インスタンスの設定は3分程度で完了します。
データ転送料やストレージコストもインスタンス利用料に含まれており、追加料金がかかりません。
国内最上位のNVIDIAエリートパートナーに認定され、日本人による技術サポートも無料で受けられます。
詳細の資料は以下のページからダウンロードできます。
GPUSOROBANの用途・導入事例集は以下のページからダウンロードできます。
GPUSOROBAN「高速コンピューティング」は、以下のページで紹介しています。
大規模なLLMモデルの開発に最適な、NVIDIA H100が業界最安級で使える「AIスパコンクラウド」は、以下のページで紹介しています。
まとめ
この記事では、GPUクラウドサービスについて、各種比較を行いながら解説しました。
GPUサーバーはコストが高額であるため、オンプレミスとクラウドのハイブリッドや、マルチクラウドなどの使い方の検討がされています。
クラウドは初期費用がかからず、コストを必要最小限に抑えることができるため、スモールスタートでお試ししてみてはいかがでしょうか。