GPUの導入事例20選。仕事・ビジネスでの活用方法を徹底解説

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「GPUはどんな用途で使用される?」「他業界・企業の事例を見てみたい」という方も多いでしょう。近年は画像認識や自然言語処理などのAIアプリケーションの背後でGPUが活躍しています。

そこで本記事では、

  • GPUがどんな用途で活用されているのか
  • 自社でどのようなGPUを導入するべきなのか

を詳しく解説していきます。業務効率化・生産性向上を実現したい方は本記事の導入事例を参考にしてみてください。

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GPUはビジネスで活用できる?

結論から言うと、GPUはビジネスで十分に活用でき、すでに多くの企業で「競争力向上のツール」になっています。GPUは、もともと映像や画像を高速に処理するための演算装置です。

しかし現在のGPUは、単なる「グラフィック用パーツ」ではなく、

  • 大量のデータを同時に処理できる
  • 計算を並列で高速に実行できる

という特性から、AI・データ分析・シミュレーションなどの計算処理の中核として使われています。

ビジネス的に言えば、「CPUでは時間がかかりすぎる処理を、現実的なスピードで終わらせるための装置」がGPUです。

GPUについては以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

GPUの事例をビジネスで活用するための見方

GPUの活用事例を見る前に、自社で導入した場合、どんな効果が得られるのかをイメージしておく必要があります。ここではどのように活用事例を見るべきか3つの視点から解説します。

  1. 課題→GPU活用→成果の因果関係を見る
  2. GPUでなければならない理由があるか
  3. 成果は「技術指標」ではなく「経営指標」で見る

①課題→GPU活用→成果の因果関係を見る

まず確認すべきは、導入前の課題が何だったのかです。良い事例ほど、GPU導入の前に明確な困りごとがあります。

たとえば、

  • 人の目でチェックしていた作業が追いつかない
  • 分析に時間がかかりすぎて判断が遅れる
  • 経験者がいないと業務が回らない

といった現場の課題です。GPUはそれらを解決する手段として使われています。

事例を読むときは、「この会社は何に困っていて、それをどう変えたのか」という流れが自然につながっているかを確認しましょう。

②GPUでなければならない理由があるか

次に大切なのは、「GPUでなければ解決できなかった理由」があるかどうかです。

単に「AIを入れました」「GPUを使いました」という説明だけでは、ビジネスの参考にはなりません。画像や動画を大量に扱っている、短時間で膨大な計算が必要、結果をすぐ現場に返す必要があるなど、スピードや量が重要な業務であればGPUの価値は高くなります。

もしCPUや既存のシステムでも対応できそうな内容であれば、その事例は「自社で無理に真似する必要はない」と判断できます。

③成果は「技術指標」ではなく「経営指標」で見る

事例を見る際に成果は必ず確認するかと思いますが、「処理が10倍速くなった」「学習時間が短縮された」といった表現は、一見すると魅力的です。

しかし、本当に見るべきなのは、技術指標ではなく経営指標で見ることです。たとえば、

  • 業務時間が減った
  • 人手が少なくても回るようになった
  • ミスが減った
  • 売上につながった

といった仕事や数字の変化です。

ビジネス事例として価値があるのは、経営や現場の判断に影響する成果が書かれているものです。

【業務別】GPUの導入・活用事例10選

まずは業務別のGPU導入・活用事例について10個事例を紹介します。

  • 深層学習モデルの学習
  • 生成AI
  • 強化学習の高速シミュレーション
  • 3DCGレンダリング
  • 動画編集の書き出し高速化
  • 分子動力学シミュレーション
  • 医療画像解析
  • AIカメラ・監視システムの高速処理
  • CAD/CAEのリアルタイム可視化
  • 最新ゲームの高FPS化

活用事例

01

深層学習モデルの学習

ディープラーニングでは、多くの計算を何度も繰り返しながらAIを学習させます。この計算量は人の手や通常のパソコンでは処理しきれないほど膨大です。

GPUは、一度に大量の計算を同時に処理できるため、AIの学習時間を短縮できます。そのため、AIをビジネスで活用する企業では、GPUを使って学習処理を高速化するのが一般的です。

たとえば、ChatGPTのような大規模なAIは、CPUだけでは現実的な時間で学習できないため、GPUを使って効率的に処理されています。GPUを活用することで、AIの改善サイクルを早め、サービスの品質向上につなげることができます。

活用事例

02

生成AI

文章や画像を自動で作り出す生成AIは、ユーザーの指示に対してすぐに結果を返す必要があります。この処理の裏側では、複雑な計算が行われており、GPUの高速処理が欠かせません。

GPUを使うことで、複数の計算を同時に進められるため、生成結果を短時間で表示できます。もしGPUがなければ、回答までに長い待ち時間が発生するのです。

生成AIの使い勝手や品質は、GPUによる処理速度にく左右されるため、ビジネスで実用的に使うにはGPUが重要な役割を果たしています。

活用事例

03

強化学習の高速シミュレーション

強化学習は、AIが試行錯誤を繰り返しながら最適な行動を学ぶ手法です。この過程では、同じシミュレーションを何千回、何万回と実行する必要があります。

GPUを使えば、こうしたシミュレーションを同時に大量処理できるため、学習にかかる時間を短縮できます。その結果、実験や検証の回数を増やせるようになり、AIの精度向上や開発スピードの向上につながります。

活用事例

04

3DCGレンダリング

3DCGのレンダリングでは、画面上の無数の点や光の計算を同時に行う必要があります。GPUはこのような処理を得意としており、多くの画素を一気に計算できます。

そのため、GPUを使うことで、複雑な3Dモデルでも短時間で高品質な映像を生成可能です。

ゲーム制作や映像制作、設計データの可視化など、見た目の品質と処理スピードが重要な業務では、GPUによるレンダリングが標準的に使われています。

活用事例

05

動画編集の書き出し高速化

動画編集では、編集した映像を最終的な動画ファイルとして書き出す際に、多くの計算が発生します。GPUを活用すると、この書き出し作業を高速に処理できます。

特に高解像度の動画や、エフェクトを多用した映像では、GPUの有無によって作業時間に大きな差が出るのです。

GPUを使うことで、編集者の待ち時間を減らし、制作効率を高めることができます。

活用事例

06

分子動力学シミュレーション

分子動力学シミュレーションでは、分子の動きを細かい時間単位で計算し続ける必要があります。この処理は非常に計算量が多く、GPUの並列処理が効果的です。

GPUを使うことで、従来は長時間かかっていたシミュレーションを、現実的な時間内で実行できるようになります。その結果、医薬品開発や材料研究など、研究開発のスピード向上に貢献しています。

活用事例

07

医療画像解析

CTやMRIの画像解析では、多くの画素データを一度に処理する必要があります。GPUはデータを同時に処理できるため、解析を高速に行えます。

また、GPUを活用することで、画像のノイズ除去や画質改善、AIによる診断支援を短時間で実行可能。医療現場では、検査結果を素早く確認できるようになり、診断や治療の効率化につながっています。

活用事例

08

AIカメラ・監視システムの高速処理

監視カメラやAIカメラでは、映像をリアルタイムで解析し、異常や特定の動きを検知する必要があります。GPUを搭載したカメラであれば、撮影現場で直接解析可能です。

これにより、映像をすべてクラウドに送る必要がなくなり、通信負荷を抑えつつ高速な判断が可能になります。GPUを組み込んだAIカメラは、防犯や交通管理、工場の安全管理などで活用されています。

活用事例

09

CAD/CAEのリアルタイム可視化

設計や解析の現場では、3Dモデルを操作しながら内容を確認する場面が多くあります。GPUを使うことで、複雑なモデルでも滑らかに表示可能です。

また、解析結果の計算もGPUで高速化できるため、設計と検証を何度も繰り返しやすくなります。その結果、製品開発のスピードが向上し、設計ミスの早期発見にもつながります。

活用事例

10

最新ゲームの高FPS化

ゲームでは、3D映像をリアルタイムで描画し続ける必要があるため、GPUが不可欠です。GPUの性能が高いほど、映像は滑らかになり、操作性も向上します。

この用途はエンタメ色が強いものの、ゲーム開発企業にとっては品質を左右する重要なビジネス要素です。GPUは、ユーザー体験を高めるための基盤技術として活用されています。

【企業別】GPUの導入・活用事例5選

ここからはGPUの導入・活用をした企業事例を5つ紹介します。

  • NVIDIA
  • Google
  • Meta
  • Tesla
  • Amazon

NVIDIA

(出典:NVIDIA)

課題

医療・AI研究で計算量が増大し、処理速度が課題

取り組み

GPUのみで構成した医療研究向けスーパーコンピュータを構築

成果

医療AI・創薬研究を高速化し、GPU基盤企業としての地位を確立

NVIDIAは、GPUを開発・提供している企業であり、GPU市場そのものを切り開いてきた存在です。1999年にGPUという概念を生み出し、当初はPCゲームや映像表現の分野で使われていましたが、現在ではAIやデータ分析の中核技術として幅広く活用されています。

同社はGPUを「売るだけ」の企業ではなく、自社でもGPUを前提とした計算基盤を構築・運用しています。その代表例が、イギリスの医療研究向けに構築されたGPUスーパーコンピュータ「Cambridge-1」です。これはCPUを使わず、GPUだけで構成された計算基盤で、医療AIや創薬研究など、極めて高度な計算が求められる分野を支えています。

また、NVIDIAはGPUの設計だけでなく、GPUを活用するためのクラウド基盤やソフトウェアまで自社で提供。研究機関や企業は「GPUをどう使えばよいか」を一から考える必要がなく、AIやシミュレーションにすぐ取り組める環境が整っています。

Google

(出典:Google)

課題

大規模AI開発に高性能計算基盤が必要

取り組み

GPU対応クラウドと無料GPU環境(Colab)を提供

成果

AI研究・開発を加速し、利用者層を拡大

Googleは、検索や広告といった自社サービスの裏側で、長年にわたり大量のGPUを活用してきた企業です。現在では、クラウドサービスを通じて、外部の企業や研究者にもGPUを提供しています。

Google Cloudでは、画像認識や文章処理などのAI開発にGPUを使える環境を用意しており、大規模なデータ分析や機械学習を効率的に行えます。これにより、企業は自前で高価なGPUサーバーを用意しなくても、必要な分だけGPUを使ったAI開発が可能です。

また、教育や研究向けには「Google Colab」というサービスを提供しており、個人でもGPUを使ったAI実験ができます。

Meta

(出典:Meta)

課題

AIモデル学習に時間がかかる

取り組み

数千~1万基規模のGPUスーパーコンピュータを構築

成果

AI学習時間を短縮し、研究開発力を強化

Metaは、SNSやメタバースの基盤となるAI技術を強化するため、自社専用の大規模GPUスーパーコンピュータを構築しています。世界でもトップクラスの規模を誇り、数千台以上のGPUを同時に稼働させることが可能。

このスーパーコンピュータは、文章を理解・生成するAIや、画像・動画を扱うAIの学習に使われています。従来は時間がかかっていたAIの学習処理を短期間で実行できるため、モデルの改善を素早く繰り返せるようになりました。

その結果、Metaは自社独自のAIモデル開発を加速させ、サービスの高度化や新機能の開発スピードを高めています。

Tesla

(出典:Tesla)

課題

自動運転AI学習がCPUでは非効率

取り組み

GPU中心の自社スーパーコンピュータを導入

成果

学習サイクルを短縮し、自動運転開発を加速

Teslaは、自動運転技術の開発を加速させるために、GPUを大量に使った自社専用の計算基盤を構築しています。自動運転AIは、膨大な映像データを使って学習する必要があり、従来のCPU中心の環境では処理が追いつきませんでした。

そこでTeslaは、学習基盤をGPU中心に切り替え、大量のデータを高速に処理できる環境を構築。これにより、AIの学習と検証を短いサイクルで繰り返せるようになり、自動運転技術の開発効率が大きく向上しています。

GPUへの全面的な移行は、Teslaが自動運転分野で競争力を保つための重要な経営判断といえます。

Amazon

(出典:Amazon)

課題

超大規模AI向けGPU運用が複雑

取り組み

高性能GPUサーバと管理不要のGPUクラスターを提供

成果

大規模AI開発を容易にし、クラウド価値を向上

Amazonは、クラウドサービス「AWS」を通じて、さまざまな種類のGPU環境を提供しています。これにより、AIや機械学習を活用したい企業は、自社で高性能な計算基盤を持たなくても、必要なときにGPUを利用できます。

特に大規模なAIモデルの開発では、GPUを多数組み合わせた計算環境が必要になりますが、AWSではそうした環境をあらかじめ構築。さらに、GPUクラスターの構築や管理を自動化する仕組みも用意されており、利用者はインフラ運用を意識せずにAI開発に集中できます。

【業界別】GPUの導入・活用事例5選

最後は業界別のGPU活用事例です。ここでは5つの事例を紹介します。

  • GPU × 自動車/製造業界
  • GPU × 電機メーカー
  • GPU × 医療業界
  • GPU × 大学研究機関
  • GPU × 食品業界

GPU × 自動車/製造業界

自動車/製造業界では、GPUが「設計」「製造」「点検・サービス」まで幅広く活用されています。

例えば、車の整備や検査の現場では、GPUを搭載したAIカメラやエッジAI装置が使われています。複数のカメラで車両を全方向から撮影し、AIが小さな凹みや劣化を自動で検出します。

(出典:IBS Japan)

これまで人の目に頼っていた検査を自動化することで、検査の精度と効率が大きく向上しました。

GPU × 電機メーカー

大手電機メーカーや産業機器メーカーは、研究開発や製品設計にGPU搭載のHPCシステムやワークステーションを導入しています。例えば、NECは大阪大学にGPUスーパーコンピュータ「SQUID」を納入し、NVIDIA A100 GPUを8基搭載したノードを42台用いて、合計16.5PFLOPS超の計算性能を実現しました。

(出典:ITmedia News)

このシステムはHPCだけでなく機械学習、ディープラーニング用途にも活用されています。他にも、電機メーカーが開発する医療機器や産業用ビジョンシステムなどにはNVIDIA GPUを組み込んだ製品が増えており、高度な画像処理やAI推論を行っています。

GPU × 医療業界

医療現場では、内視鏡・CT・MRIなどの機器が年々高性能化し、扱う画像データ量も急激に増えています。一方で、これまで医療機器の画像処理は、FPGA(専用回路)と呼ばれる仕組みに頼ってきました。そこでNVIDIAが展開したのが、医療向けGPUプラットフォーム 「NVIDIA Clara」 です。

(出典:NVIDIA)

GPUの並列処理能力を医療機器に直接組み込むことで、内視鏡映像を高精細かつ低遅延で処理しながらリアルタイムにAI解析を行えるようになり、従来は後処理や研究用途に限られていたAIを検査・診断の現場で活用可能になりました。

GPU × 大学研究機関

早稲田大学では、福島第一原子力発電所事故の廃炉に向けた研究において、従来のCPU中心の計算環境では、計算量が膨大すぎて高精度なシミュレーションを実行できないという課題を抱えていました。そこでGPUを導入。

(出典:東京電力ホールディングス株式会社|福島第一原子力発電所事故発生後の原子炉圧力容器/格納容器内の状態推定)

プロメテックとの共同研究により研究コードをGPU対応させ、計算の並列化効率を大幅に高めた結果、CPU環境と比較して約10倍規模の性能向上が実現し、これまで解析不可能だった原子炉圧力容器下部の構造物における燃料デブリの挙動についてもシミュレーションが可能になりました。

GPU × 食品業界

食品製造業界でも品質管理や包装工程の自動化にGPU搭載のビジョンシステムが使われています。Axiomtekの事例では、食品製造ラインにAIマシンビジョンを導入し、GPU/VPUを用いて製品画像の欠陥検出を高速化しています。

(出典:AXIOMTEK)

専用のエッジAIプラットフォーム上で製品画像を即時解析し、表面割れや異物混入を自動で検出することで、従来の目視検査に比べて検査精度とスループットを大幅に向上させました。

以下のリンクからGPUの導入事例について、よりわかりやすく紹介していますので、あわせてご覧ください。

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